コラム
訪問看護に向いてる人・向いていない人の特徴|必要なスキルを解説

訪問看護師への転職を考えているものの、自分に向いてるか分からないと悩んでいませんか。病院勤務とは異なり、利用者の自宅にて1人で行う訪問看護は、異なるスキルや資質が求められます。
本記事では、訪問看護に向いてる人・向いていない人の特徴を詳しく解説します。必要な資格や知識、実際の退職理由から見える職場環境の実態など、訪問看護の現場で働きたい方に向けて、必要な情報をまとめました。
この記事を読んで訪問看護師が向いてるか判断し、自分に合った職場を選ぶ参考にしてください。
訪問看護師に向いてる人の特徴5選

訪問看護師に向いてる人の特徴は、病院勤務とは異なります。おもな特徴は、以下の5つです。
- 自立して行動できる
- 臨機応変に柔軟な対応力がある
- コミュニケーションが得意
- 体力があり移動を負担に感じない
- 観察力が高い
利用者の生活の場で医療を提供する環境では、どのような特徴を持つ人が適しているか詳しく解説します。
自立して行動できる
訪問看護は1人で利用者宅を訪問し、その場で的確な判断を下す必要があります。病院のようにすぐ医師や同僚に相談できる環境ではないため、自立した行動力が欠かせません。
訪問看護師は利用者の状態を観察して、主治医の指示に基づき看護を提供します。緊急性の判断から即座に医師に連絡して指示を仰ぐなど、自らの判断で迅速に進める場面も少なくないでしょう。
経験を積むことで判断力は向上しますが、基本的に「自分で考えて動く」ことに抵抗がない人は、訪問看護師に向いてるでしょう。
臨機応変に柔軟な対応力がある
訪問看護の現場では、マニュアルどおりにいかない状況が日常的に発生します。利用者の自宅という生活空間で看護を提供するため、各家庭の事情や環境に合わせた柔軟な対応が必須です。
どのような状況でも、利用者に最善の看護を提供できるよう、状況に応じて適切な方法を見つけ出せる柔軟性が、訪問看護師には求められます。
コミュニケーションが得意
訪問看護師は、利用者や家族と深い信頼関係を築く力が必要です。医療処置だけでなく、利用者の生活全般を支援するため、高いコミュニケーション能力が不可欠です。
利用者の本音を引き出し、家族の不安に寄り添いながら、医療や看護を提供します。また、主治医やケアマネジャー、ヘルパーなど多職種との連携も欠かせません。利用者の状態を的確に伝え、チーム全体で支援方針を共有する調整役の役割も担っています。
人と関わることが好きで、相手の立場に立って考えられることは、訪問看護師として働くうえで大きな強みです。
体力があり移動を負担に感じない
訪問看護師は一日に複数の利用者宅を訪問するため、移動時間が勤務時間の多くを占めます。車や自転車での移動が中心であり、自転車の移動では天候に関係なく業務を続けられる体力が必要です。
また、利用者宅での身体介助や入浴介助など、看護ケアで体力を使う場面も多くあります。日頃から体調管理に気を配り、体を動かすことが苦にならない人は、訪問看護の仕事を長く続けられるでしょう。
観察力が高い
訪問看護では、限られた訪問時間の中で利用者の状態を的確に把握する必要があります。わずかな変化も見逃さない鋭い観察力が、利用者の健康を守るために大切です。
週に1〜2回の訪問で前回からの変化を確認し、問題の早期発見につなげます。さらに、室内環境の変化や家族の様子からも、利用者を取り巻く状況の変化を読み取る必要があります。具体的には以下のようなポイントです。
- 薬の飲み忘れが増えていないか
- 食事は適切に摂れているか
- 家族の介護疲れは見られないか
細部まで注意深く観察し、変化を敏感に察知できる人は、訪問看護師として利用者の健康を守ることに向いています。
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訪問看護師に向いていない人の特徴4選
訪問看護は誰にでも適している仕事ではありません。病院勤務とは大きく異なる環境で働くため、以下の特徴を持つ人には向いていない可能性があります。
- 指示がないと動けない
- 変化に対して柔軟な対応が苦手
- 人の家に入ることに抵抗がある人・運転が苦手
- 急性期医療に携わりたい
特徴に当てはまる場合は、訪問看護師が自分に向いてるか改めて考え、働き方や考え方を見直してみましょう。
指示がないと動けない
訪問看護の現場では、医師や先輩看護師からの指示をその場で確認することはほとんどありません。。利用者宅にて1人で判断し、行動する必要があるため、指示待ちの姿勢では業務が成り立ちません。
常に誰かの指示を仰ぎたいと考える人は、チーム医療が行える病院勤務の方が適しているでしょう。
変化に対して柔軟な対応が苦手
訪問看護は、予定どおりに物事が進まないことの多い仕事です。利用者の急な体調変化や家族の都合による訪問時間の変更など、臨機応変な対応を迫られる場面が頻繁に発生します。
決められた手順やルールから外れることに抵抗を感じる人は、訪問看護師で働くことに負担を感じる可能性があります。変化に対して柔軟な対応が苦手な人は、ルールが決められた環境で働く方がよいでしょう。
人の家に入ることに抵抗がある人・運転が苦手
訪問看護師は、利用者の生活空間に入って看護を提供します。そのため、他人の家に入ることに心理的な抵抗を感じる人は適していません。利用者宅の環境はさまざまで、整理整頓が行き届いていない家や、独特な生活臭がある家もあります。
また、多くの訪問看護ステーションでは、車での移動が必須です。運転に苦手意識がある人や、運転免許を持っていない人は、就職先が限定されます。都市部では自転車移動の事業所もありますが、体力的な負担が大きくなりやすいといえます。
急性期医療に携わりたい
緊急搬送や集中治療室での看護、手術直後の患者ケアなど、急性期の医療現場で働きたい人は、訪問看護は物足りなく感じられるかもしれません。訪問看護は慢性期・終末期の利用者が中心で、急性期とは異なる役割を担っています。
急性期看護に魅力を感じる人は、総合病院や大学病院での勤務が適しているでしょう。
訪問看護師に必要な資格・知識は?
訪問看護師として働くには、基本的な資格要件に加えて、在宅医療ならではの知識やスキルが求められます。ここでは、訪問看護師として活躍するために必要な資格と知識について詳しく解説します。
看護師または准看護師の資格と実務経験
看護師または准看護師の資格がなければ、訪問看護の業務に従事できません。多くの訪問看護ステーションでは、臨床経験3年以上が採用条件です。病院での実務経験を通じて、基本的な看護技術や医療知識、アセスメント能力を身につけていることが求められるからです。
近年では、新卒や経験の浅い看護師を積極的に採用し、教育体制を整えているステーションも増えています。研修プログラムや先輩看護師との同行訪問を通じて、徐々にスキルを身につけられる環境が整備されているところもあります。
普通自動車運転免許
訪問看護師にとって、普通自動車運転免許は必須に近い資格です。効率的に複数の利用者宅を訪問するため、多くの訪問看護ステーションでは車での移動を基本としています。
郊外や地方は、車移動が中心です。都市部では自転車や電動自転車で訪問を行っているステーションもありますが、選択肢は限られます。運転免許を持っていない場合は、就職活動の前に資格の取得をおすすめします。
在宅医療・介護保険制度の知識
訪問看護は医療保険と介護保険の両方を活用してサービスを提供するため、制度に関する知識が必要です。利用者や家族への説明、ケアプランの作成などサービス提供のために欠かせません。
在宅医療に関わる診療報酬の仕組みや、地域包括ケアシステムの概念なども理解しておくと、より質の高い訪問看護の提供につながります。制度は頻繁に改正されるため、常に最新の情報をチェックする姿勢も必要です。
訪問看護師の退職理由は?本音から分かる理想の職場の見つけ方

訪問看護師として働き始めたものの、さまざまな理由で退職を選択する人も少なくありません。おもな退職理由は、以下の内容があげられます。
- 業務量やプレッシャーのかかる場面の多さ
- 人間関係・職場の雰囲気
- 給与や待遇への不満
実際の退職理由と対策を知ることで、自分に合った訪問看護ステーションを見つけましょう。
業務量やプレッシャーのかかる場面の多さ
訪問看護師の退職理由として多いのが、業務量の多さと精神的なプレッシャーです。1人で判断して行動する責任の重さに、負担を感じる人も少なくありません 。
また、オンコール対応による夜間・休日の呼び出しは、プライベートの時間が確保しづらくなる大きな要因です。理想的な職場を見つけるためには、以下のポイントを事前にチェックしましょう。
- オンコール体制の頻度
- 業務分担の仕組み
- スタッフ数が充実していて、休みが取りやすい環境か
- 事務作業のサポート体制があるか
見学や体験を通じて、実際の業務量を把握してから就職を決めることで、ミスマッチを防げます。
人間関係・職場の雰囲気
小規模な訪問看護ステーションでは、限られた人数で業務を行うため、人間関係のトラブルが退職につながりやすい傾向です。相性の合わない同僚や上司との関係に悩み、退職を決断する人もいます。
そのため、職場の雰囲気を知るためにも、ステーションの見学を申し込むのがおすすめです。就職前に実際に働いているスタッフと話す機会を設けてもらうことで、職場の実情を聞ける可能性もあります。
給与や待遇への不満
訪問看護師の給与は、病院勤務と比較して高いとは限りません。夜勤手当がない分、収入が減少することに不満を感じて退職する人もいます。
基本給は病院と同程度でも、夜勤手当や残業代を含めた総収入で見ると、病院勤務の方が高くなりやすいです。待遇面のチェックポイントは、以下の内容があげられます。
| 待遇面のチェックポイント | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 基本給・諸手当 |
|
| 賞与・昇給 |
|
| 福利厚生 |
|
| 勤務条件 |
|
福利厚生や教育体制なども含め、総合的な待遇を比較することが大切です。自分が何を優先したいのか明確にし、目的に合った条件の職場を選ぶことで、満足度の高い働き方が選べます。
訪問看護師に向いてる人になるためにできる4つのこと
訪問看護師に必要な資質は、努力次第で身につけられます。具体的な方法を4つ紹介します。
- 臨床経験を積んで「判断力」を鍛える
- 利用者や家族と関わることで「コミュニケーション力」を高める
- 保険制度や在宅医療の「知識」を身につける
- チームの一員として働く中で「連携力」を磨く
意識的にスキルを磨いていけば、訪問看護に向いた人へと成長できるでしょう。
臨床経験を積んで「判断力」を鍛える
訪問看護で求められる判断力は、豊富な臨床経験から培われます。病院での勤務を通じて、さまざまな症例に触れ、アセスメント能力を高めていくことが大切です。
病院勤務中から、「もし自分1人ならどう判断するか」という視点を持つことも効果的です。医師や先輩看護師の判断プロセスを観察し、なぜその判断に至ったのかを理解するよう心がけましょう。カンファレンスでは積極的に意見を述べ、自分の判断が適切かどうかフィードバックをもらうことで、判断力は向上します。
利用者や家族と関わることで「コミュニケーション力」を高める
コミュニケーション力は、日々の看護実践の中で意識的に磨けます。患者や家族との関わりを大切にし、相手の立場に立った対話を心がけることから始めましょう。
傾聴スキルを向上させるために、コミュニケーション研修への参加もおすすめです。アサーティブコミュニケーションや共感的理解の技法を学ぶことは、より深い信頼関係を築くために必要です。訪問看護では利用者との関係構築が大切であり、今からコミュニケーション力を磨いておくことは大きな強みになるでしょう。
保険制度や在宅医療の「知識」を身につける
訪問看護に必要な制度的知識は、自主学習で習得できます。以下のような内容の学習から始めるとよいでしょう。
- 介護保険制度や医療保険制度の基本
- 在宅医療の仕組み
- ケアマネジャーの役割
- 各種サービスの内容
- 訪問看護に関する診療報酬・介護報酬の算定方法
在宅医療に関する書籍を読んだり、セミナーに参加したりするのもおすすめです。訪問看護ステーションの見学や、在宅医療を行っているクリニックで研修の機会があれば、積極的に参加してみましょう。
チームの一員として働く中で「連携力」を磨く
訪問看護では多職種連携が欠かせません。病院勤務の段階から他職種との協働を意識し、チーム医療の一員として積極的に関わることで、連携力を養えます。
報告・連絡・相談のスキルも、連携力を高めるために必要なスキルです。必要な情報を的確に伝え、相手が求めている情報を提供できるよう、日頃から意識的に練習してみてください。訪問看護師は利用者を中心としたチームのコーディネーター役でもあるため、今から連携力を磨いておきましょう。
まとめ|訪問看護に向いてる人は自分で考えて動ける人
訪問看護師に向いてる人の特徴は、自立して判断し、行動できることです。利用者の自宅にて、1人で看護を提供する責任は大きいものの、やりがいも大きな仕事です。もし現時点で自信がなくても、臨床経験を積みながら必要な知識を学び、スキルを磨いていけば訪問看護師として活躍できる可能性はあります。
在宅医療のニーズが高まる中、訪問看護師の役割はますます大きくなっていきます。訪問看護への転職を考えているなら、まずは自分の強みと課題の整理から始めてみましょう。





